知識を積み重ねて運営していく / 『eat 麻布十番』のネットショップ戦略 with「BASE」

中野 容器とか凄くこだわりがありそうですね。

佐藤 デザインもどうするか考えたいですね。お皿の代わりがこれから箱とかのパッケージに変わっていくでしょうから。

中野 そうですね。では次にネットショップをやっていく中で、大変だったことや苦労した話をお伺いできますか。何が一番大変でしたか。

佐藤 大変だったのはやっぱり料理を入れる箱ですね。真空パックでいいのかとか、原材料とかどう表記すればいいのかなど。その辺がゼロからの勉強になるので一番大変でした。店舗だったらお客さんに直接「この味噌は中身に何々を入れているんですよって」お話して終わりなんですけど、パッケージする時にはどこまで書けばいいのか難しいですよね。

そういう知識などを「BASE」さんの方で教えてもらえる仕組みがあると嬉しいですね。飲食専門のHow toとかを公開してもらえるといいなと思いますね。あとは「BASE」で資材とか全部調達できればいいなと思いました。例えば、今回のように飲食の店舗がアカウントを作ると、調理機材だったり、パッケージとかシールとかを印刷してくれるところとか、全部「BASE」内で調達できるようになってるともっと便利になるんじゃないかと思うんです。多分そういったものは自分で探せばあるとは思うんですけれど、130万店もあるとなかなか見つけられないんですよね。

中野 今のお話はオペレーションの話だと思うんですけれど、商品を開発する上で難しかったことって何でしょうか?どういう商品を出すかなどで悩まれたこととか。

佐藤 最初は悩みましたけど、商品はもう逆にもういくらでも増やせそうです。そこでは特に悩みはないですね。やはりオペレーション部分になってしまうのですけど、ソースを作りました、じゃあ何本作るか、作ってどこに収納するのかみたいな事に悩んでしまいます。例えば、100本作ったとしても、次の日に100本売れちゃったら、すぐに次の仕込みをしなくちゃいけなくなって、1日の予定や生産にかける時間のバランス配分が変わってくるんです。

これも生産数などに関連するのですが収納をどうするか問題があります。飲食店ってあまり収納がないので、在庫管理をどうしていこうかっていう部分が出てきます。これからの飲食店ってネットショップとか込みで考えていかなくちゃいけないと思うんです。そうすると店舗設計というか、店舗の作り方が変わっていくんじゃないのかなと思っています。冷蔵庫、冷凍庫とか保存するためのストレージはこれから広げていきたいなと思いました。

中野 そういったものも踏まえて、今後「BASE」を使ってやっていきたいことや、今やりたいことみたいなことってありますか。

佐藤 そうですねもうお皿から何から、店舗にあるもの全て買えますっていうのは多分究極で面白いのでやってみたいですね。このお箸いいね、このお皿いいねとか店舗に来店されたお客様がおっしゃった時に、このお皿の作家さんは誰々でこういう背景がありますよ、とか言いながらネットショップで買えるんです、みたいな感じで。買い物SNSみたいに、これを買うとバックグラウンドを知ることができる。そういう形での店舗とネットショップの連動って面白い体験になるんじゃないのかなって思います。

今回の新型コロナでの自粛などがきっかけで改めて思ったんですけれど、今後は店舗だけのビジネスではなく、そのブランドが新しい武器になってビジネスを広げていくような事が重要になるんじゃないかと思っています。

中野 SNSといえば、佐藤さんのところはインスタのフォロワーが結構いらっしゃるので、オンライン食事会とかを行っても面白いしかもしれませんね。

佐藤 そうですね、他には料理レシピを売ったりとかでも面白そうですよね。あとは、他の店舗にスタッフがお手伝いに行きますとか。「BASE」さんを、ホームページの代わりにしてもよさそうですよね。

中野 はい。色々な飲食店さんが各自アイディアを出しあって行くと、「食」の分野が面白くなっていきそうです。

BASE(ベイス)

サービスサイト https://thebase.in/

「BASE」で展開しているショップの一部事例

■「AFURI」(ラーメン店)
すでに店舗で販売している商品とネットショップだけの商品の両方を実施。店舗ではラーメンを販売。ネットショップではラーメン以外の商品、例えば、お鍋のセットやラーメンの丼、後アパレル商品などを販売。もちろんInstagramなどのチャネルを用意した上で販売しており、ネットでしか買えないものを販売することにより、ネットショプの付加価値を高めているのが「AFURI」様の特徴。もちろんネットショップでも店舗で食べられるラーメンやその具材なども販売しています。

「VERANDING TORIKO べランディング鳥幸」
焼き鳥の串のセットをオリジナル商品として焼き台と一緒に販売。焼き鳥はもちろん店舗で使われているもので、スパイスなども店舗で使われているものを販売。加えて自宅で簡単に、そして気軽に楽しんでもらうというコンセプトで、オリジナルの焼き台と一緒に販売されて非常に人気になっています。

「石屋製菓」
白い恋人などで有名。漫画「ゴールデンカムイ」などのコラボ商品などをネットショップで限定販売。