Webinarでは、六本木ほか恵比寿・田町で「KNOCK CUCINA BUONA ITALIANA」を全4店舗、虎ノ門で新業態の「MOM&POP SPAGHETTI’S」を展開する展開する株式会社マザーレストランツ取締役の梶原政之さんに、2020年から続く新型コロナウィルス感染拡大の中、今後飲食店はどの様に行動していくことが最善なのか、この機会をネガティブではなくポジティブに捉え、様々な視点から考察し、お店の魅力をどのように拡大していくべきか、そしてデジタルツールなど新たな手段の活用が重要という話を語っていただきました。
Speaker：梶原 政之 氏
KNOCK CUCINA BUONA ITALIANA 総料理長 / 株式会社マザーレストランツ取締役
1984年3月6日、東京都出身。北イタリア・ピエモンテ州の星付リストランテで修行を積み、帰国後、都内イタリアンレストランの料理長に就任。その後、2011年12月にKNOCK CUCINA BUONA ITALIANA 六本木本店を開業する。
→KNOCK CUCINA BUONA ITALIANAサイト
Facilitator：梅原 裕子 氏
SELF代表
静岡県出身。メイクアップアーティストして、TVドラマ、雑誌、舞台メイク、ブライダルなど幅広い分野で活動。見た目の美しさの追求はもちろんのこと、心身共に健康であること、内面の美しさが引き出すチカラに着目し、現在は多くの飲食店のアピアランス研修やコーチングなどを手がけている。
■スタッフ全員で商品開発の企画を考える
■自分たちが良いと思える国産の食材やお皿を積極的に使用
■「その街に生きるレストラン」をコンセプトにホスピタリティあるレストランを目指す
■スタッフ間で来店者情報を共有。お客様にお店のファンになってもらうように心がける
■お店の最大の魅力はスタッフ
■スタッフが自信を持って現場に立てるよう学べる場を営業時間外に作る
■なるべく小さいうちに問題やストレスを解決する場を店舗ごとに作る
■お店で営業する以外の経験をしてもらう場として海外研修旅行を毎年実施する
■食材の仕入れ先の明確やどんなスタッフが働いてるかなどをSNSを通じて発信する
■オンラインで毎日店舗毎に朝礼を実施。スタッフの顔を見る事を毎日のルーティンにする
■何事もトライし、その上で改善を行なっていく
スタッフ間の情報共有が大切な理由
梅原 梶原シェフがスタッフに対して普段から心がけていることはあるんですか。
梶原 個別に食事に行く日もありますし、毎日必ず店舗には顔を出して営業も一緒に回しますから、なるべく全員とその時に話すようにしています。後は店舗ごとに週に1回、全員参加の家族会議と言われる場を設けていますね。イベントの企画を話し合ったり、日頃の営業中のストレスを言いあったりするストレス発散の場所にもなっています。
入社したての新卒の人たちも含めて、なんでも言える環境にしようと店長たちが心がけてくれているんです。小さな問題やストレスをすぐに解決することによってチーム力がすごく上がりますし、ちょっとやそっと問題が起きても立ち向かえるスタッフになっていると思いますね。
梅原 自分の意見を聞いてもらえるとか、個性をみんなが伸ばしてくれるっていう感覚がすごいです。こんなに大勢のスタッフを抱えているのにルールがない様な。それってお互いの信頼関係ですよね。
梶原 ちゃんとルールはあるんですけどね。
梅原 でも、その自由度が高いし、信頼している中でこそ発揮できる個人の魅力が、『KNOCK』にはあるなと思います。普段から皆さんお店のファンを作ろう、自分のファンを作ろうっていうことで、お客様に名前を覚えてもらっているスタッフが多いですよね。
梶原 電話の予約のときに「梶原くんいる？」とか「今日キッチン誰が立ってるの？」みたいな話をお客様からされたり、そこで働いているスタッフに会いに来てくれてるっていうのは本当に嬉しい事ですね。
梅原 創業者は別として、お店への想いとかコンセプトとか、スタッフ1人1人のお店への想いが濃いというのはすごいなと思います。私もいろんな企業研修に携わらせてもらっていますけど、『KNOCK』ってある意味家族みたいなチームワークの良さを感じますね。普段のそういったコミュニケーションやイベント、お店であったことを後で共有するんですね。
梶原 小さいことも、お客様のご来店のことなども情報共有しています。予約のアプリを通してご来店された人が何を召し上がったとか、そういうような記録も残していますね。そもそも、違う店舗同士で同じお客様の話ができたりするっていうのは、各店舗がずっと個性を生かして各々営業し続けているからだと思います。
梅原 それぞれのお店のキャラクターが全然違うので、今日はここに行ってみようっていう楽しさが結構あるんじゃないかと思います。そういえば、スタッフがお客様との距離を縮める施策なんでしょうか、昨年から始まったコースターにスタッフがコメントを書いてくていたんですよ。そういうちょっとしたことがすごく嬉しかったり、心を掴まれるんですよね、こういうのはみんなで考えたりしてるんですか。
梶原 店舗ごとですね。いま見せてくれたコースターは恵比寿店のだと思うんですけど、以前からコースターには気合が入りまくっていて。もうコースターとして使ってないですね。
梅原 そうですね。綺麗につかいたいというか、もう嬉しくて持って帰ってきちゃいました。一緒にいた友達には質問が書かれていたんです。お客様とのやりとりツールですね。普通に考えると、こんなことするのはスタッフにとって面倒くさいとか、バタバタしてるのにこんなのできないっていうのがあるはずなのに、心の余裕があるというか、お客様に興味を持つって、お店のことをもっと知ってほしい、自分のことも見てほしいといった想いがすごく伝わってきて嬉しくなります。お店だけじゃなくて、その1スタッフとの個人的な繋がりが出来るというか、それも楽しいですね。
梶原 スタッフが何か1つでも自分に自信を持って、笑顔で接客してくれたり料理を作ってくれたりする環境を作るというのが僕の仕事だと思っているし、そのためにスタッフのレベルアップもしていかなきゃいけないって常に思っています。時間を作って、畑とかワイン工場に連れて行くとか。
梅原 現地視察というか、昨年はイタリアへ研修旅行に行ってましたよね。
梶原 社員旅行と言う名の研修旅行ですね。イタリアやシドニー、ニューヨーク、アジアも行きました。イタリアは僕が働いていたトリノの街のレストランを体験する日を作ってみたり。僕が働いてたレストランのシェフや働いてる仲間もいますし、僕は通訳に回ってなるべく自分が経験したことをスタッフに伝えていきたいと思ったんです。お店で営業する以外の経験をさせてあげたいっていう事を強く思っていて。
梅原 それを創業当時からずっとやっているんですよね。
梶原 今年はいけなかったですけどね。
梅原 そうですよね、本当にこんな状況になるとは思いませんでした。新型コロナの感染拡大が懸念されている状況ですけれど、今後は店舗運営をする上で何を大事にしていったらいいのかも聞かせてください。
梶原 僕らが大切にしていることは、自信を持って正確な情報をお客様に伝えていくことだと思います。食材の仕入れ先の明確化とか、感染予防対策などもちゃんと打ち出して営業していかなきゃいけないと思っていて、今後はどういうスタッフが料理したりサービスしているのか、お店で働いているスタッフ紹介を僕らがやっているSNSを通じて発信していこうと思っています。
梅原 それはいいかもしれないですね。今、SNSでスタッフみんなが持ち回りで今日のパスタランチはこれですよとか出してますけど、もっと顔をだしていく感じですね。
梶原 実際、恵比寿店やミッドタウン店の投稿などでスタッフ全員が写ってる写真はすごく好感度が高いようで「いいね」がすごく多かったんですよ。お店で食べられる料理だけではなくて、空間とか接客するスタッフの顔が見えるとことも今後増やしていきたいですね。
KNOCK CUCINA BUONA ITALIANA
料理長のピエモンテ時代の経験を活かし「もしピエモンテ州に私達のお店があったら、どんな食堂を作ろうか？」というコンセプトから始まったレストラン。一般的なイタリアンのイメージとは違い、海が無く山の中に位置するピエモンテ州はお肉料理やチーズと野菜を沢山使った料理を楽しむことが出来る町。そのアイデアと日本を感じながら料理を楽しんでいただきます。
私達の大好きなイタリアを意識し、「エレガント・高級」というよりは、「ワイワイと楽しく大勢で賑やかに！』を掲げ、皆様にうまい料理とワインをカジュアルな価格で気軽に使える食堂であり、その街で生活する人々に愛されるレストランでありたい・・・。もちろんパスタメニューも充実しています。ノック流クラシックメニューから、季節の野菜をたっぷり使った日替わりメニュー。ディナーでは、前菜やお肉料理などいろいろ食べて飲んで、最後の締めでパスタを食べるスタイルも楽しいお店です。
KNOCK CUCINA BUONA ITALIANA
六本木本店、ミッドタウン店、恵比寿店、msb Tamachi店
https://mother-restaurants.com/
KNOCK CUCINA BUONA ITALIANA 六本木本店EXサイト
https://knock3211.thebase.in/
MOM&POP SPAGHETTI’S
「MOM&POP SPAGHETTI’S」は、イタリアンレストラン「KNOCK」から生まれたスパゲッティー専門店。「KNOCK」では、スパゲッティー1,000本ノック！でメニューを開発し、年間20万皿のスパゲッティーをお召しあがりいただいています。
わたしたちが目指すのは、生産者も、作り手も、食べる人も、みんなが喜ぶスパゲッティー。素材にこだわり、子どもから大人まで安心して食べられる一皿。野菜もいっぱいでヘルシーだから、生産者の顔が見えて安心だから、豊富なメニューから選べるから、忙しくてもサッと食べられるから、なんといっても、おいしいから。MOM&POPのスパゲッティーは安心でおいしい、みんなが待っていたスローなファストフードなのです。
MOM & POP SPAGHETTI`S
https://momandpop-spaghettis.com/
